あしたがくるまえに

真剣30代しゃべり場

31歳の抱負

1日に31歳になった。31歳という数字に実感はないけれど、肌に年齢を感じる歳になったな、とは思う。

私は今年の3月末に入籍した。

家族や親戚が集まったり、友人にお祝いの会を開いてもらったり、このご時世でしばらく顔を見ていなかった人たちに会えた。何より両親が喜んでくれて、本当に嬉しかった。

 

私の両親は健在だけど、お義母さんは去年の夏に突然の病で亡くなった。亡くなってからまだ1年経たない。喪中での入籍に思うこともあったけれど、お義父さんの後押しもあって、付き合って1年で入籍を決めた。

お義母さんが亡くなった日は私たちが付き合って半年の記念日で、夫はその日に私をご両親に紹介しようと思っていたのだと後から聞いた。私もお通夜とお葬式に参列させてもらい、そのとき初めて私はお義母さんと対面した。夫は3人兄弟の末っ子で、2人のお義兄さんと奥さんとご家族みんながお義母さんとの別れを惜しんでいた。どんなに愛されていた人か、どんなに素敵な人だったか、その時、2人のお義姉さんの悲しむ姿を見てよくわかった。お義母さんはきっと、私のことも本当の娘のように大切にしてくれる人だった。

母の日を前に、お義母さんのお墓参りに行った。お墓の周りに生えているメヒシバを抜いて、墓石を擦った。気温が上がってきたからか、水受けもカラカラに乾いていた。生前、1番好きだったというガーベラを仏花と混ぜてお供えし手を合わせた。少しの間そこにいただけで、春をすっ飛ばしたように、首の後ろがジリジリと灼けて暑かった。私もお義母さんと、いちどだけでも話してみたかった。

 


入籍からほどなくして妊娠が発覚し、私は秋に母親になる。不思議とタバコもお酒も欲しくなくなった。ぺたんこの靴を履き、やぼったいワンピースばかり着て出かけている。妊娠がわかってからは、私が実家に頻繁に帰ったり母が遊びに来ることが増え、毎日のように母と連絡を取るようになった。母が何よりも私の体調を気遣い、誰よりも楽しみにしてくれているのがわかる。

夫はことあるごとに寂しそうにしている。病院でもらったエコー写真を遺影に供え「何死んどんや、おかん」と呟く。お義母さんが健在の時、積極的に顔を見に帰ってはいなかったのだと思う。きっと後悔してもしきれない。

今年の母の日、夫は私の母にプレゼントを用意し、一緒に渡しに行ってくれた。

 


私はずっと、母と呼ばれるようになるとひとりの女としての人格が無くなるような気がしていた。いろんなことをやめて、諦めて、その子のためだけに生きなければいけなくなるような気がして、なんとなく、もっとずっと先のことのような気がしていた。

だけどこのお腹に命が宿ってからは違っていて、この子のためにこそ自分を大切に、柔軟に生きたいと思っている。我慢こそすれ、諦めなくていい。この子のためにしなやかに生きたい。

気負いすぎることなく、私のままで、ゆるやかに母になっていきたいと思う。今年の抱負!