あしたがくるまえに

真剣30代しゃべり場

男女間の友情

 

 

 

先週末、喫茶店で遅めの昼食を摂っていると、隣に座った男女の会話が聞こえてきた。声のデカい2人はそれぞれ飲み物を頼み、フルーツタルトをシェアしていた。
最初はカップルだと思っていたけれど、会話を聞くとそうではなかった。男性には恋人がいるようで、その恋人の愚痴に惚気をちょうどいい具合に織り交ぜながら話していた。女性の方は惚気のターンになると分かりやすくつまらなそうにして媚び、それに対して男性の方も満更でもなさそうだった。彼はソース顔の美形だった。
お会計をしていると「はやく彼氏作ればいいのに」という男性の声が聞こえてきて、こいつはとんでもねぇと思いながら店を出た。

  

「男女間の友情は成立しない」という人がいるけれど、わたしはそうは思わない(まあ友達と言っても色々あるし、各々の基準なのでここからは完全にわたしの価値観での話になる)。
非常に少なくはあるけれど、わたしにも、恋愛感情ではなく大切に思っている異性の友人がいる。脆くて成立しにくいものだとは思うけれど、異性だというだけで友情が全く生まれないなんてことは絶対にない。ハナから「自分には異性の友達がいないし男女間の友情は成立しない」という人に対して、自意識のせいで可能性を狭めて勿体無いのでは、と感じてしまうこともある。もちろん「異性の友達がいない」と言われてそりゃそうだろうなと納得できる人もいるけれど。

 

例えば、わたしの親友、Hちゃんには男友達が1人もいない。彼女は色気のバケモンである。
とてもかわいい顔をしていて、おっぱいが大きくて、頭がいいのに自分を絶妙なバカ、もしくは不思議ちゃんぽく見せるのが上手い。そして、すごく尻が軽い。もしもわたしが男だったなら、一番抱きたいタイプなので、友人関係などとうに崩壊している。
わたしは彼女のことをとても好きだし、信頼もしている。唯一無二の大切な人だけれど「女に嫌われる女」を地でいきすぎていて、たまに、こいつはなんなんやと腹が立つこともある。言わずもがな女友達は少ない。

男版Hちゃんみたいな人もいるだろう。
例えば、今をときめく俳優・菅田将暉である。もちろんわたしは彼の性格なんて知らないけれど、外から見たスペックはわかる。彼はきっと自分をよく解っているのだろう。「二階堂ふみだけを除いて男女間の友情は成立しない」と公言している。
まあそりゃそうだろうよと思う。菅田将暉と近しい距離になったとして、彼の性格がクソじゃない限り、友達のポジションに大人しく収まって我慢できる女がいるだろうか。いや、いない。少なくとも、わたしは確実に無理だ。友達になろうとすら思わないかもしれない。
一晩だけでもお願い致しますの段である。

 

やはり、男女間の友情には異性としての魅力(性的な魅力)が関係しているのだと思う。
わたしは自分の男友達に対してリスペクトがあるし、いい男だと思ってこそいるけれど、色気は全く感じていない。きっと、わたしを友達だと思ってくれている男性に聞くと同じことを言うと思う。友達になるだけの共通点があり、それに加えてその点が一致して初めて成り立つのだから、男女間の友情は奇跡なのかもしれない。

ただ、その友情は確かに存在するのだけれど口に出してしまえばたちまち嘘っぽくなる。特に、他人からすれば「友達とか言ってるけどこいつらほんとかよ…」と思うこともあるし、恋人がいればその友情が喧嘩のタネになることもある。だけど、それは当人たちにしか理解し得ないのだからその関係に口を挟むのは無粋だ。

だけど、無粋でもこれだけは言わせてほしい。
喫茶店で見かけたあの男女も、菅田将暉二階堂ふみも、十中八九キスはしとる。下手すりゃ寝とる。
ちなみに、Hちゃんは二階堂ふみに似ている。